
国語4ヶ月目の内容についてご紹介していきます。
今回は、無意識の自己対話――「BGMセルフトーク」について扱います。
みなさん、「セルフトーク」という言葉は聞いたことがありますか?
コーチングの領域ではわりとよく使われている用語だと思います。
「自動思考」と呼ばれていることもありますよね。
私たちは、たとえば
「今日のご飯、何にしようかな」
「冷蔵庫に材料、何入ってたかな」
みたいに、意識的に考えていることがあります。
でもそれとは別に、
自分では考えていないつもりなのに、勝手に思考が回っている。
そういう “自動運転” みたいなものがある、と言われています。
人間は1日に6万回思考している、みたいな話を出す学者さんもいて、正直、どうやって数えたんだろう、というツッコミどころはあるのですが…
ここでは数字の正確さは一旦置いておきます。
言いたいのはシンプルで、私たちは「考えよう」と思っていなくても、勝手に考えてしまう生き物だということです。
そして、その“勝手に回っている思考”の多くが、ネガティブ寄りだと言われています。
だから、雑念を払う瞑想が難しいとか、寺で座禅して、雑念が入ると後ろからパシンと叩かれる、みたいな話があるわけで、「何も考えない」がどれだけ難しいかを、そこで思い知る人も多いです。
こういう背景があって、今回この講座では、この無意識の自動思考を、わかりやすくするために 「BGMセルフトーク」 と名付けました。
専門用語でも何でもありません。
ただ、説明しやすいように、仮で名前をつけたという感じです。
スタバのBGMみたいなものだと思ってください
みなさん、スタバやカフェに行くと、大体BGMが流れていますよね。
スタバなら、心地いいジャズっぽい音楽とか。
じゃあ、最近スタバに行った人に聞きたいんですけど、そのBGM、何が流れていたか覚えてますか?
覚えていて、しかも正確にハミングできます、という人がいたら、もはや天才です。
ほとんどの人は、
「何か流れてた気はする」
「でも、何だったかは覚えてない」
こんな感じだと思います。
でも、YouTubeで「スタバBGM集」みたいなものを聴くと、
「なんかこんな感じだったような気もする」
みたいに、雰囲気だけは思い当たる。
BGMセルフトークも、これと同じです。
心の中にも、いつの間にか流れている“BGM”がある。
それは、セルフトークの一種です。
セルフトークは直訳すると自己対話ですが、ここで言うのは 意識的に自分と対話する自己対話ではなくて、無意識の中で、いつの間にか流れている自己対話。
自動思考として流れているセルフトーク。
これを、意識的な自己対話と分けて扱うために、「BGM」と呼ぶことにします。
国語4でやること
この自己対話の学校では、基本としては、まず 自分で意識できる自己対話を変えていく、というのが最初のステップになります。(国語1参照)
ただ、このBGMセルフトークで何が流れているのかは、私たちの現実や人生の方向性を決めるうえで、かなり大事です。
なので国語4ヶ月目では、
- まず BGMセルフトークという存在を理解する
- 次に BGMセルフトークをキャッチしてみる
- 最後に BGMセルフトークの種類を分けてみる
ここまでをやっていきます。
4-2|BGMをキャッチするポイント
ここまでで、BGMセルフトークとは何かについて見てきました。
意識的に考えている言葉でもなく、感情そのものでもなく、その手前で、いつの間にか流れている無意識の自己対話。
では次に出てくるのが、
「じゃあ、そのBGMセルフトークって、自分の中では一体どんなものが流れているのか?」
という疑問だと思います。
ここからは、自分のBGMセルフトークを具体的にキャッチしていく方法についてご紹介していきます。
といっても、BGMセルフトークは、普段はほぼ環境音です。
スタバで友達と話してる時、BGが強すぎて友達の声が聞こえないなんてことはないと思います。
そのくらい普段は静かですし「聞こう」「探そう」と意識すると、
かえって分からなくなることも多いです。
なので国語4-2では、無理に探しにいく方法は取りません。
代わりに、
BGM音量が勝手に上がる瞬間
を使います。
すでに自分のやり方がある人へ
もし、
- 座禅や瞑想が好きで、よくやっている
- 瞑想中に、普段は浮かばない考えが出てくる
- 掃除を無心にしているときに、内側の声に気づける
- ノートに書き殴ることで、内面が見えてくる
こうした 自分なりのBGMキャッチ方法 がすでにある人は、
ぜひそれを使い続けてください。
それは、あなたにとって合っている方法です。
この講座では、
「このやり方が正解です」という形で
方法を一つに統一したいわけではありません。
BGMセルフトークのキャッチには、
入口がいくつもあっていい。
うまくいかなかった人、やったことがない人へ
一方で、
- 瞑想をやってみたけど、よく分からなかった
- ノートを書こうとしても、手が止まってしまう
- 何を書けばいいのか分からない
- 「内観しよう」とすると、逆に頭が真っ白になる
こういう人も、かなり多いです。
その場合は、
「静かな時間を作ってキャッチしよう」とするよりも、
勝手に音量が上がる瞬間を使う方が、ずっと分かりやすい。
ここでは、BGMセルフトークをキャッチしやすい2つのタイミングを紹介します。
①出来事が起こったあと、感情が出るまでの間
ひとつ目は、出来事と感情のあいだです。
たとえば、ご相談でとても多いのが、
「彼から連絡が来ない」という出来事。
この出来事そのものは、
ただの事実です。
でも、そこに、
- 焦り
- 不安
- ソワソワ
- 落ち着かなさ
といった感情が出てくる。
感情は、
自然現象のように勝手に湧いてくるものではありません。
ということは、
「彼から連絡が来ない」という事実に対して、
何らかの 価値判断や事実認識 が入っている。
そのとき、
言葉としてはっきり意識されていなくても、
- 連絡が来ない=大事にされていない
- 連絡が来ない=関係が不安定
- 連絡が来ない=私は相手にとって大切な存在ではない
こういった
前提のようなものが流れています。
これが、BGMセルフトークのカケラです。
また別の例です。
今期、
自分なりにかなり仕事を頑張った。
でも、査定が低かった。
という出来事が起きたとき、
- イライラ
- 怒り
- 悔しさ
が出てきたとしたら、
それは
「査定が低かった」という事実そのものではなく、
- 本来、私はもっと評価されるはず
- 上司はちゃんと見ていない
- この会社は私を正当に扱っていない
という
事実認識の前提が鳴っている。
ここでも、
感情の手前にBGMのカケラがあります。
②何かを起こそうとする“手前”
もうひとつ、
BGMの音量が上がりやすいのが、
まだ出来事が起きる前です。
たとえば、
- 会社員を辞めて、フリーランスになろうか
- 新しいことを始めようか
- 実家を出て一人暮らししようか
と思った瞬間。
このときに、
- できるの?
- 大丈夫?
- 無理じゃない?
- どうなの?どうなの?
という、
言葉とも思考とも言えない“声”が流れ出すことがあります。
これも、BGMセルフトークのカケラです。
出来事が起きる前に、
すでに現実の方向性を決めにいっている音。
だからこそ、
このタイミングはとてもキャッチしやすい。
4-2でやりたいこと
ここでやってほしいのは、
- 消すこと
- 直すこと
- ポジティブに変えること
ではありません。
ただ、
- 出来事と感情のあいだ
- 出来事を起こそうとする手前
この2か所で、
「あ、今なんか鳴ってるな」
と気づくこと。
探しに行かなくていい。
頑張って聞かなくていい。
音量が上がる瞬間を使う。
それが、
国語4-2で扱う
BGMセルフトークのキャッチ方法です。
4-3|BGMセルフトークの分類と簡易仕分けワーク
ここまでで、
BGMセルフトークをキャッチしやすいタイミングについて見てきました。
出来事と感情のあいだ。
そして、何かを起こそうとする手前。
こうした場面で
「あ、今なんか鳴ってるな」
と気づけるようになると、
次に出てくるのがこの疑問です。
「じゃあ、このBGMって一体どんな種類があるの?」
そこで4-3では、
BGMセルフトークを
ざっくり分類して、簡易的に仕分けしてみる
ということをやっていきます。
BGMはジャンルが違う
BGMと一口に言っても、
流れている音楽のジャンルは、場所によって全然違いますよね。
たとえば、
- スタバだったら
穏やかで静かなジャズ系 - マックだったら
テンポが早めのポップ系 - 夜のクラブだったら
重低音がガンガン効いた、ちょっとハイになる音
同じ「BGM」でも、
空間の雰囲気も、そこで起きることも、全然違います。
私たちの BGMセルフトーク も、これと同じです。
人によって、
流れているBGMのジャンルが違う。
たとえば、
- 私の中のBGMは、なんとなくスタバっぽい
- ずっと落ち着いてるけど、動きにくい感じ
- 逆に、常にせかされてる感じのBGMが流れてる
こんなふうに、
ジャンル感覚で捉えられるようになるだけでも、現実の展開の傾向が読めるようになります。
なので4-3では、
細かく分析するというよりも、
「どのジャンルっぽいか当たりをつける」
ことを目的にします。
今回扱うBGMの前提
昔から、自動思考(自動で流れる思考)のだいたい8割はネガティブ寄りだ、という話があります。
そして、
私たちの人生のトラブルや停滞を引き起こしやすいのも、
この ネガティブ寄りのBGM です。
もちろん、
心地よいBGM、悪さをしないBGMもあります。
でもそれは、
流れていても特に問題を起こさないので、
今回は分類の対象から外します。
ここで扱うのは、
人生をちょっと止めやすいあまり嬉しくない方のBGM
この前提で、
簡易的に分類してみます。
BGMセルフトークの仮分類
ここでは、
人生の停滞やトラブルを起こしやすい
あまり嬉しくない方のBGMセルフトークを、
簡易的に分類してみます。
あくまで仮分類なので、
今後増えたり、まとめ直したりする前提です。
まずは
「自分の中では、これがよく鳴っているかも」
という当たりをつけるためのものだと思ってください。
①監視型
「ちゃんと」「正しく」「間違えるな」が常に鳴っているBGM。
- ミスを先回りして防ごうとする
- 評価や基準が頭から離れない
- 行動の前にブレーキがかかりやすい
安心のために鳴っているけれど、
自由度を下げやすいタイプ。
②否定型
「どうせ」「無理」「意味ない」がベースになっているBGM。
- 期待する前に下げる
- 可能性を最初から閉じる
- 動く前に気力が削がれる
挑戦や継続が止まりやすいタイプ。
③焦らせ型
「早く」「遅れてる」「間に合わない」が鳴り続けるBGM。
- 常に時間に追われている感覚
- 落ち着いて選ぶことが難しい
- 行動は早いが、疲弊しやすい
スピードは出るが、消耗も大きいタイプ。
④他者混入型
親・社会・過去の誰かの声が、そのまま流れているBGM。
- 「普通はこうでしょ」
- 「それはやめた方がいい」
- 「そんなの無理に決まってる」
自分の声と見分けがつきにくく、
判断基準が外に置かれやすいタイプ。
⑤フリーズ型
何も言っていないようで、
実際は動けなくなっている状態のBGM。
- 考えが止まる
- 選べない
- 決められない
音がないのではなく、
停止の空気が流れているタイプ。
⑥現状維持型
「そんなに頑張らなくていいんじゃない」
「そこまでやらなくても、みんなやってないよ」
と囁くBGM。
- 変化を先延ばしにする
- 今のままを正当化する
- エネルギー消費を避ける
一見やさしいけれど、
現実を動かしにくいタイプ。
⑦同調圧力型
「目立ちすぎるよ」
「みんなと違くなるよ」
と警告してくるBGM。
- 周囲から浮くことへの恐れ
- 出る杭にならないよう抑制する
- 個性や選択を小さくまとめる
安心と引き換えに、
表現や挑戦を止めやすいタイプ。
この7つは、
どれが良い・悪いという話ではありません。
「自分の中では、どれがよく鳴っているか」
それに気づけるだけで十分です。
次の簡易仕分けワークでは、
この分類を使って、
実際にラベル貼りをしていきます。
簡易仕分けワーク
ここからは、
とてもシンプルなワークです。
1日の中で、
- 出来事が起きて感情が動いたとき
- 何かをしようとして止まったとき
その瞬間に、
こう問いかけます。
「今、どのタイプが鳴ってるかな?」
文章にしなくていい。
分析もしない。
「これ、焦らせ型だな」
「今、否定型っぽいな」
それだけでOKです。
これは、
BGMセルフトークを
人格ではなく、現象として扱うための仕分けです。
4-3でできるようになること
BGMセルフトークを見つけると、
ほぼ全員が
「で、これどうしたらいいんですか?」
って思います。
それは自然な反応です。
でも国語4(前期)では、
あえて“どうするか”は扱いません。
なぜなら、
まだ自分のBGMの全体像が見えていない段階で
何かを変えようとすると、
BGMが混線して暴走するからです。
(スタバのBGMとマックのBGMが二重で爆音で鳴るような)
この「扱い方」「BGMの由来と育ち方」「選び直し」は、後期の国語4で、さらに深くやります。
だから今は、
見つけて、分けて、
「ああ、これか」と分かるところまででOKです。
BGMを自覚すること自体、今までやったことない人が多いかと思うので、まずはキャッチすることに今月は注力してみてください。
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